京都からスマートエネルギーと地域創生をサポート

事業内容

1.地産地消の次世代型ESCO事業

ESCO(Energy Service Company:エスコ)事業とは、お客様の省エネ機器の導入によるエネルギー削減効果を試算、分析し、省エネ機器の導入設計を行って、契約期間内のエネルギー削減効果を保証し、事業者はエネルギー削減額の中から一定額をサービス料として受取ることで、省エネ機器導入に伴う全ての費用を回収するとともに,契約期間内の維持管理等をオールインワンで提供するビジネスモデルです。

初期投資の全て、あるいは大半を事業者が負担し、お客様は契約期間内(通常5年以上)の削減益の中からサービス料として事業者に支払っていくため、省エネ事業における初期投資というファイナンス上のストレスを解消したものです。 また、公共施設が実施する場合は、国や自治体は民間資本を活用して省エネ事業を推進できるという意味を持ちます。

特に、ESCO契約は、削減効果を保証するという点において、自治体が長期債務負担行為を取ることができる契約であり、PFI₍Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ₎に比べて手続き的にも簡易なため、自治体の予算に負担をかけない方法と言えます。

しかしながら、削減効果を保証するという事業者リスクがあるため、従来型のESCO事業では、空調機器など大型機器での削減をベースに、照明のLED化等はあくまで付加的に提案の中に組み入れた「どんぶり型」のケースが多く、小規模な照明設備のLED化を事業として取り組むことはリスクと考えられてきました。その結果、ESCO事業者は事業者リスクの少ない大型施設が中心となってきたため、対象が限定されたり、導入までに時間がかなるなど、省エネ推進の阻害要因ともなってきました。

その一方で、照明LED化はLED機器や計測機器の進歩にも支えられ、削減電力量を高い精度で把握できるようになってきました。

次世代型ESCO事業は照明LED化をスタート台として省エネを加速促進する、迅速で低コストなESCO事業であり、当社では、これを地産地消で実行し、地域で資金を循環させて地域活性化へと繋げていくことを目指しています。

2014年1月よりサービスを開始した、京都府総合庁舎照明LED化ESCO事業においては、京都府の11総合庁舎(峰山・宮津・舞鶴・綾部・福知山・園部・亀岡・乙訓・田辺・宇治・木津)の照明LED化を、事業・設計を当社が実行し、建築・維持管理を京都府電気工事工業協同組合が行うという共同提案で受注し、LED照明は地元京都に本社を置く、ローム株式会社製のものを使用し、資金融資は京都信用金庫が行うという地産地消を実現しました。

2.見せる化(削減益の公表・公開)

地球温暖化対策の緊急性、必要性が強く叫ばれ、京都府、市並びに各市町村において、各種補助金をはじめとした具体的な取組みが進められていますが、様々な阻害要因によって、省エネ事業は必ずしも加速していません。

その最大の要因は電気代や省エネ機器についての適格な情報が正確に伝達されていないことです。
LED機器の導入がメーカーによる販売中心になっていることで、「どれだけ電気代が下がる?」「どんなLEDがいいのか」という、お客様の欲しい機器や電気代についての正確な情報が伝わらず、結果、LED化したら「どれだけ得するか」の提示が明確にできていないのです。

当社は、公共施設での次世代型ESCO事業のノウハウを基に、 削減効果を誰にでもわかりやすく公表・公開していくことで、民間企業や商店街、コミュニティの啓発活動に繋げ、迅速かつ面的な省エネを実行します。さらに、省エネだけではなく、太陽光発電などの新エネルギーやBEMS※の導入と省エネを組み合わせて地域活性化のための原資創造に繋げることを目指します。

※※BEMS…Building and Energy Management Systemの略で、ビルの機器・設備等の運転管理によりエネルギー消費量の削減を図るためのシステム
3.省エネ削減益を活用した地域・企業活性化事業

省エネを阻害しているもう一つの要因は、削減益をどう有効に活用するかという提案が行われていないことです。 省エネによって得た利益と同じ額の利益を事業から得ることは実は大変であることは、経営者ならば切実にわかることです。 人が節約のために行うことには自ずと心理的な限界がありますが、事業や地域を元気にするという目標のため資金作りが省エネであるとわかれば、行動は加速します。

また、企業(特に中小企業)あるいは地域に対して、経営レベルでの各種行政からの補助金活用を含めたファイナンス提案も必要になります。どのような補助金が適応可能で、残額はどうするのか。会計上の処理はどうするのか…等。
当社の事業は、省エネ・創エネ事業と地域(企業)活性化、創生の融合したビジネスモデルであり、各種イベントやセミナーも実施して、省エネ・創エネがもたらす削減益に対する認識と活性化への適用方法等について啓発を行っていきます。

具体的には下記のようなコンサルティング活動を企業、地域、商店街・コミュニティに行っていきます。
・省エネ削減益を商店街活性化のための助成費用として活用するための、環境コンサルティング活動
・商店街のスマートタウン化に向けて、まずは省エネ・創エネ化と活性化のブレーン的機能
・国、自治体の各種補助金の活用支援など、行政と地域との中間支援機能
4.地域活性化の課題
京都市を訪れる観光客数は年間5000万人の大台を突破し、特に外国人宿泊客数は大幅に増加し、113万人に達しました(京都観光総合調査(平成25年))。街を歩いていても、外国人の方が明らかに増えていると感じられます。
そして、2020年の東京オリッピック招致決定に続き、トラベル・アンド・レジャー誌の世界の人気都市ランキングで、京都は1位に選ばれるなど、観光都市としての京都には確実に、追い風が吹いています。
しかし、その一方で、既存の商店の多くが営業を続けられなくなってきている現実もあります。こうした自営業高齢者は年金受給もサラリーマンとは異なり、国民年金部分のみとなり、生活も非常に厳しく、店をやめるにもやめられない方々も多くいると聞きます。
そして、人通りの多い街なかの商店街でさえ、多様化するお客様や外国人観光客のニーズに対応できずにいるのが現状です。
こうした現状と同時進行で、京都の観光資源でもある京町家を含めた木造建築は、高齢化や相続の問題で空き家もしくは実質的な空き家が増加し、大きな問題となっています。
空き家を放置すれば、景観はもちろん治安の悪化も予想され、京都ブランドが失われていくことになります。こうした京町家を改築して有効活用する動きが出ていますが、費用対効果の問題で事業としての成立、継続は厳しいという面もあります。

当社では、こうした複合的な問題についても、地域活性化、まちづくり事業の一環として捉え、新たな事業価値を創造していきたいと考えています。 主として、①地産地消の次世代型ESCO事業、②見せる化(削減益の公表公開)、③削減益の地域活性化への活用の3事業を軸として、(財)京都産業エコ・エネルギー推進機構より、平成24年度京都府グリーンカンパニー、平成25年度グリーンイノベーション市場参入支援事業として採択、助成をを受け、新たなビジネスモデルの実現と京都府を中心とした省エネ・創エネ事業、地域活性化事業の面的な拡大に取組んでまいります。

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